牛肉の格付け

美味しい牛肉と格付けのお話

格付けとは?

テレビ朝日の「芸能人格付けチェック」という番組、とても面白いですよね。不定期で毎年オンエアされているのですから、相当に人気なんだろうと思います。そんな「格付け」は牛肉にもあるのです。

みなさん、一度は「最高級、A5ランクの黒毛和牛」などという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。今日は、そんな牛肉の「格付け」についてです。

牛肉の「格付け」とは品質規格に基づいて「A5」「A4」「A3」などとランク分けすることを言います。この「A5」「A4」という表記は、社団法人日本食肉格付協会によって行われる格付けの結果を表しています。ちなみにこのような表記で格付けされるのは牛だけです。豚肉や鶏肉にはありません。

A5が最高ランクです。

確かに「A5(ランク)」は最高級牛肉として最も高値で取引きされています。しかし、「A5ランク=最高においしい」という意味ではありません。そもそも、このランクは、美味しさを表す基準ではないのです。今回は、そんな牛肉の「格付け」の仕組みをご紹介します。

なんのためにあるの?

牛肉の格付けを行っているのは公益社団法人日本食肉格付協会(JMGA)というところです。「A5」「A4」「A3」などのランクは、この協会が定めた基準です。

なぜ、この協会が格付けを設けたのか。それは、誰かが中立公平な立場で適正な価格を決めないと取引が正しく(正当な価格で)行われないからです。

食肉の取引は、主に枝肉の形で、全国200ヵ所近い食肉卸売市場、食肉センター等で行われます。これらの場所で取引される食肉の価格は、全国共通でなければなりません。そこで日本食肉格付協会は全国統一の取引規格に基づく格付(品質評価)を定めました。なお、この「牛枝肉取引規格」は日本独自の基準です。世界共通規格ではありません。

いつ決められてるの?

牛が「枝肉(えだにく)」という状態に処理された後に行われます。生きた牛を見て格付けしているわけではありません。

※枝肉とは:と畜後に市場でセリがかけられる状態(皮、骨、内臓を取り除き、背骨から2つに切り分けた状態)の牛のことです

枝肉が並んでいる状態

どこで判断しているの?

和牛の場合、背骨に沿って2分割された枝肉の左側の6番目と7番目の胸椎間部分です。枝肉の左側の6番目と7番目の胸椎間を切開し、その時に見えるロースやバラの厚さなどを計測してA~Cの歩留等級を決めています。どこ産の牛肉でも切り開く場所は、ここ(枝肉の左側の6番目と7番目の胸椎間)と決まっています。

枝肉の左側の6番目と7番目の胸椎間の断面

なん段階あるの?

牛肉の格付けは、2つの等級の掛け合わせで決まります。(1)歩留等級と、(2)肉質等級というものです。この2つの判断軸によって、15段階に格付け(ランク分け)されています。格付けの等級が高ければ取引される価格(仕入れ値)も高くなります。

「歩留等級」はA、B、Cの3段階に分かれており、アルファベットA~Cは、1頭の牛から取れる肉の量を表しています。Aが最も良い等級です。肉の質や旨味を表す等級ではありません。

「肉質等級」はの1~5の数字は脂肪含有量を表す数字です。5から1の5段階に分かれており、5が最も良い等級です。牛肉の旨味は赤身と脂身のバランスで決まるとも言われます。この数字は、そのバランスを評価した数字で、一般に5に近づくほど良質なものと言われます。

格付けの全体像

  (2)肉質等級
(1)歩留等級 A A5 A4 A3 A2 A1
B B5 B4 B3 B2 B1
C C5 C4 C3 C2 C1

(1)歩留等級(ぶどまりとうきゅう)

等 級 歩留基準値 歩留(部分肉歩留が…)
A 72以上 標準より良いもの
B 69以上72未満 標準のもの
C 69未満 標準より劣るもの

「歩留等級(ぶどまりとうきゅう)」は、枝肉から取れる肉の割合によって決まります。枝肉から骨や脂身を取り除いた結果、どれぐらい肉が残っているの?という肉の量のことです。枝肉から食べられる肉が多く取れるほど歩留等級が高いということになります。

(2)肉質等級(にくしつとうきゅう)

等 級 脂肪交雑(胸最長筋並びに背半棘筋及び頭半棘筋における脂肪交雑が…) 肉の色沢(肉色及び光沢が…) 肉の締まり/きめ 脂肪の色沢と質(脂肪の色、光沢及び質が…)
かなり多いもの かなり良いもの かなり良い/かなり細かい かなり良いもの
やや多いもの やや良いもの やや良い/やや細かい やや良いもの
標準のもの 標準のもの どちらも標準 標準のもの
やや少ないもの 標準に準ずるもの どちらも標準に準ずる 標準に準ずるもの
ほとんどないもの 劣るもの 劣る又はきめが粗い 劣るもの

「脂肪交雑(しぼうこうざつ)」とは牛肉の赤身に、脂肪が網目状に入っている状態のこと。簡単に言うと霜降りの度合い。いわゆる「サシ」のことです。

格付けと「ふじなわ」の目利き力

格付けは必要です。格付けが高いほど、歩留等級が高いほど良い牛ということになります。しかし、等級が味に関係するかというと、必ずしもそういうわけでもありません。むしろ、消費者の方々には関係ないことかも知れません。

ふじなわでは市場(いちば)の格付員の目(格付けという客観的な評価)に頼るだけではなく、当社の50年以上の目利き力で厳選し、仕入れた牛肉の味や質をしっかりと確かめ、満足したものだけをお客様にお届けしています。